情報セキュリティ資格のおすすめ10選!難易度や合格率・勉強方法も紹介 - Tech Hiveマガジン

情報セキュリティ資格のおすすめ10選!難易度や合格率・勉強方法も紹介

情報セキュリティ資格アイキャッチ

インターネットの普及に伴い、企業が発展し成長し続けるにはIT戦略が必要不可欠です。

しかし、インターネットを利用する以上、サイバー攻撃のリスクに備えておかなければなりません。

もしサーバー攻撃を受ければ、情報漏洩が起きたり、最悪事業の停止を余儀なくされたりする恐れがあります。

そこで重要となるのが、情報セキュリティ対策です。

社員が情報セキュリティ資格を持っていれば、企業のセキュリティを強化できます。

本記事では、情報セキュリティ資格のおすすめ10選を紹介します。

難易度や合格率、勉強方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

情報セキュリティ資格の種類は大きく3つ

情報セキュリティ資格の種類は大きく3つ

情報セキュリティ資格の種類は、以下の3つに大別されます。

  1. 国家資格:国の法律に基づき個人の能力や知識を証明する 資格
  2. 公的資格:省庁や大臣が認定する資格
  3. 民間資格:民間団体や公益法人が独自基準で発行する資格

資格によって発行元が異なるものの、目的に合わせた資格を取得することが重要です。

情報セキュリティ資格のおすすめ10選一覧

情報セキュリティ資格のおすすめ10選一覧

情報セキュリティ資格のおすすめ10選は以下の通りです。

  1. 情報セキュリティマネジメント試験
  2. 情報処理安全確保支援士試験
  3. 情報セキュリティ管理士認定試験
  4. SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定
  5. SPREAD情報セキュリティマイスター
  6. CISM(公認情報セキュリティマネージャー)
  7. 個人情報保護士認定試験
  8. AWS認定セキュリティ
  9. シスコ技術者認定
  10. ISC2資格

ここからは、国家資格・公的資格・民間資格からそれぞれ、難易度・合格率・勉強方法を紹介します。

※受験費用は税込価格、2024年5月29日時点の情報です

情報セキュリティ資格|国家資格2選

情報セキュリティ資格|国家資格2選

情報セキュリティ資格の国家資格は、「情報セキュリティマネジメント試験」と「情報処理安全確保支援士試験」の2種類です。

情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティマネジメント試験
実施主体 IPA|独立法人情報処理推進機構
受験資格特になし
合格ライン60%以上
試験方式科目A:多肢選択式(四肢択一)
科目B:多肢選択式
受験方法全国各地会場でのCBT方式
試験時間120分
受験費用7,500円
難易度
公式サイトhttps://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/sg/index.html

情報セキュリティマネジメント試験は、企業のセキュリティ運用から管理まで、基本的なスキルがあると証明になる資格です。

個人情報の管理や、情報セキュリティの確認や評価などに必要とされます。1,000点満点中600点が合格ラインなので、難易度はそれほど高くありません。

勉強方法は、参考書や過去問題などを活用するといいでしょう。合格ラインに達するには、200時間程度の勉強が必要です。

以前は春と秋の年2回でしたが、2023年4月より随時受験可能となっています。

情報処理安全確保支援士試験

情報処理安全確保支援士試験
実施主体IPA|独立法人情報処理推進機構
受験資格特になし
合格ライン60%以上
試験方式多肢選択式(四肢択一)
記述式
受験方法筆記・実技
試験時間午前1:9:30~10:20(50分)
午前2:10:50~11:30(40分)
午後3:12:30~15:00(150分)
受験費用7,500円
難易度
公式サイトhttps://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/sc.html

情報処理安全確保支援士試験は、情報セキュリティに関する専門的な知識と技術を証明する資格です

筆記と実技を午前2回、午後1回に分けて行います。

やや難易度は高めですが、公式サイトで公開されている、過去問題やシラバスを活用できるのがポイントです。

試験日は、春期(4月)と秋期(10月)の2回実施されます。

情報セキュリティ資格|公的資格5選

情報セキュリティ資格|公的資格5選

情報セキュリティ資格の公的資格は、以下の5種類です。

  1. 情報セキュリティ管理士認定試験
  2. SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定
  3. SPREAD情報セキュリティマイスター
  4. CISM(公認情報セキュリティマネージャー)
  5. 個人情報保護士認定試験

情報セキュリティ管理士認定試験

情報セキュリティ管理士認定試験
実施主体一般財団法人 全日本情報学習振興協会
受験資格特になし
合格ライン70%以上
試験方式マークシート形式
受験方法公開会場受験
オンライン受験
CBT受験
試験時間午前10時00分~12時15分
受験費用通常受験:11,000円
連続受験:9,900円
学割受験:8,800円
情報セキュリティ初級合格者:6,600円
難易度 やや高め
公式サイトhttps://www.joho-gakushu.or.jp/isme/

情報セキュリティ管理士認定試験は、情報セキュリティに関して幅広い知識を持つことを証明する資格です。

将来マネージャーや管理職を目指すなら、持っておくと役に立つでしょう。

公式問題集や公式テキストを購入すれば、勉強できます。

令和6年度の試験日は、8月25日(日)です。

SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定

SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定
実施主体実施主体 一般社団法人セキュリティ対策推進協議会
(SPREAD)
受験資格特になし
合格ライン70%以上
試験方式四肢択一
受験方法オンライン
試験時間50分
受験費用3,300円
難易度 初級・中級(人材育成施策のみ)
公式サイトhttps://www.grafsec.or.jp/kentei/becomesupporter/

SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定は、情報セキュリティについて客観的に判断しアドバイスできることを証明する資格です。

試験は書籍やハンドブックを元に出題されます。「インターネットの安全・安心ハンドブック」は無料でダウンロードできるので活用してください。

試験は、春期と秋期の年2回実施されます。

SPREAD情報セキュリティマイスター

SPREAD情報セキュリティマイスター
実施主体実施主体 一般社団法人セキュリティ対策推進協議会
(SPREAD)
受験資格SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定の合格者
合格ライン70%以上
試験方式四者択一
受験方法オンライン
試験時間45分
受験費用5,500円
難易度 やや高め
公式サイトhttps://www.grafsec.or.jp/kentei/becomesupporter/

SPREAD情報セキュリティマイスターは、SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定の合格者が受験できます。

SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定の上位資格となるので、難易度は少し上がります。

SPREAD情報セキュリティマイスターと同じく年2回実施されますが、時期が異なるので注意が必要です 。詳細は公式サイトで確認してください。

CISM(公認情報セキュリティマネージャー )

CISM(公認情報セキュリティマネージャー )
実施主体ISACA(情報システムコントロール協会)
受験資格5年以上の実務経験
合格ライン450点以上
試験方式多肢選択式
受験方法オンライン受験
PSI会場での受験
試験時間4時間
受験費用会員:440ドル(約77,038円)
非会員:675ドル(約106,117円)
難易度
公式サイトhttps://www.isaca.gr.jp/cism/

CISM(公認情報セキュリティマネージャー)は、情報セキュリティのマネジメントスキルがあることを証明する資格です。

企業のセキュリティリスクに対して、統括的管理を担当する情報セキュリティマネージャーを目指すなら、取得しておくべきでしょう。

運営元はアメリカですが、日本語の教科書や公式トレーニング(有料)で勉強できます。

5年の実務資格が必要なことと、受験料が高めなことに留意しましょう。

個人情報保護士認定試験

個人情報保護士認定試験
実施主体一般財団法人 全日本情報学習振興協会
受験資格特になし
合格ライン課題1・2とも70%以上
試験方式マークシート
受験方法公開試験会場で受験
オンライン受験
試験時間10時00分~12時45分
受験費用一般:11,000円
学割:8,800円
難易度 やや高め
公式サイトhttps://www.joho-gakushu.or.jp/piip/

個人情報保護士認定試験は、個人情報を扱う専門家であることを証明できる資格です。

企業においては、顧客の個人情報を扱うことも多いため、個人情報保護士がいれば個人情報を適切に管理できるとアピールできます。

通信講座や講習会もありますし、公式テキストや問題集など勉強方法は都合の良い方法を選んでください。

試験日は、3月・6月・9月・12月の年4回、公式サイトで確認できます。

なお、少しでも時間に遅れると受験できないので、試験会場で受験する方は時間に余裕を持って出かけてください。

情報セキュリティ資格|民間資格3選

情報セキュリティ資格|民間資格3選

情報セキュリティ資格の民間資格は、AWS認定セキュリティ・シスコ技術者認定・ISC2資格の3種類です。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

AWS認定セキュリティ

AWS認定セキュリティ
実施主体AWS
受験資格特になし(18歳未満は親権者の同意が必要)
合格ライン750点
試験方式複数選択・複数応答のいずれか
受験方法対面テスト
オンラインテスト
試験時間170分
受験費用FOUNDATIONAL:15,000円
ASSOCIATE:20,000円
PROFESSIONAL:40,000円
SPECIALTY:40,000円
難易度 FOUNDATIONAL:低
ASSOCIATE:中
PROFESSIONAL:高
SPECIALTY:高
公式サイトhttps://aws.amazon.com/jp/certification/certified-security-specialty/

AWS(Amazon Web Services)認定セキュリティは、AWSの専門的な知識があることを証明する資格です。

Amazonが提供するクラウドサービスを利用するなら、持っておいて損はないでしょう。

試験にはランクがあり、受験料や難易度も異なります。

勉強には、Amazonが公開する動画や資料がありますが、有料サービスもあるので確認の上利用してください。テキストや問題集を活用するのもおすすめです。

シスコ技術者認定

シスコ技術者認定
実施主体シスコシステムズ
受験資格エントリー:特になし
アソシエイト:実務経験1~3年
プロフェッショナル:実務経験3~5年
エキスパート:実務経験5~7年
合格ライン75%以上
試験方式CBT形式
受験方法オンライン
試験時間120分
受験費用エントリー:125ドル(約19,640円)
アソシエイト:300ドル(約47,137円)
プロフェッショナル:300ドル~(約47,137円~)
エキスパート:450ドル~(約70,706円~)
難易度 エントリー:低
アソシエイト:中
プロフェッショナル:中
エキスパート:高
公式サイトhttps://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/certifications.html

シスコ技術者認定は、未経験者から上位エンジニアまで4種類の資格があります。

区分によって異なるものの、情報セキュリティに精通した知識があることの証明になる資格です。

自身のスキルや目的に合わせてレベルを選べます。ランクが上がるほど難易度や受験料が高額になることに留意してください。

エントリーなら独学でも学べますが、上位資格を目指すならスクールに通うことをおすすめします。

ISC2資格

ISC2資格
実施主体(ISC)2
受験資格ランクによって異なる
合格ライン700点以上
試験方式四者択一
受験方法オンライン
試験時間3時間(CISSPの場合)
受験費用CC:199ドル~(約31,258円)
SSCP:249ドル(約39,121円)
CISSP:749ドル(約117,679円)
CCSP:599ドル(約94,112円)
CSSLP:599ドル(約94,112円)
難易度 CC: 低
SSCP:中
CISSP:中
CCSP:高
CSSLP:高
公式サイトhttps://japan.isc2.org/

ISC2資格は、情報セキュリティのプロフェッショナルであることを証明する資格です。

実施主体はアメリカにありますが、日本語版サイトでも情報を発信しています。

ランクによって難易度や受験料、勉強方法も変わるので、自身のスキルに合わせて選んでください。

なお、資格には有効期限があり、更新には条件があることに留意しましょう。

勉強は公式サイトでのトレーニングや、自己学習ツールなどを利用できます。

情報セキュリティ資格を選ぶ3つのポイント

情報セキュリティ資格を選ぶ3つのポイント

情報セキュリティ資格は、以下に紹介する3つのポイントを踏まえながら選んでください。

  1. 実務に活かせる資格を選ぶ
  2. 将来の目標達成に役立つ資格を選ぶ
  3. キャリアプランに合わせて選ぶ

実務に活かせる資格を選ぶ

資格を取得するなら、実務に活かせるかを考えましょう。

資格ばかり持っていても、実務に活かせなければ意味がありません。

これから転職を考えているなら、実務に活かせる資格があれば有利になるでしょう。

資格を取得するために学んだことは、知識として身につくので自身の強みになります。

将来の目標達成に役立つ資格を選ぶ

将来の目標があるなら、目標達成に役立つ資格を選びましょう。

将来なりたい自分を叶えるためという目標があれば、難易度の高い資格でもモチベーションを維持しながら勉強できます。

ただし、未経験者が上位資格を目指すのは現実的ではありません。

まずは難易度の低い資格を取得して基礎知識を身に着け、段階的に挑戦するのがおすすめです。

キャリアプランに合わせて選ぶ

情報セキュリティの資格は種類があり、目的によって選択肢が異なります。

迷ったときは、キャリアプランを元に選べば、どんな資格が必要か把握しやすいでしょう。

情報セキュリティ資格を取得する4つのメリット

情報セキュリティ資格を取得する4つのメリット

なぜ資格を取得するのかを明確にできていないと、取得しても活かせません。情報セキュリティ資格を取得するメリットを把握できていれば、試験にも意欲的に取り組めます。

情報セキュリティ資格を取得するメリットは以下の通りです。

  1. 自身のスキルを証明できる
  2. 現場で説得力のある提案ができる
  3. 社内セキュリティの強化に貢献できる
  4. 昇進や転職で有利になる可能性が高まる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

自身のスキルを証明できる

まず、自身のスキルを証明できます。

資格を取得するには、勉強して知識を身に付けなければなりません。

学んだことは自身のスキルとして身につくので、資格があればそれを証明できます。

履歴書に保有する資格を記載すれば、採用担当者や面接官が客観的な評価をするのに役立つでしょう。

現場で説得力のある提案ができる

情報セキュリティ資格を保有していれば、専門的な知識を元に現場で説得力のある提案ができるのもメリットです。

情報を適切に扱える証明にもなるので、現場で意見を求められたときに周囲からも信頼されやすくなるでしょう。

社内セキュリティの強化に貢献できる

社内セキュリティの強化に貢献できるのは、非常に大きなメリットです。

顧客の個人情報を適切に扱えず情報漏洩すれば、企業の信頼を損ないます。

一度失った信頼を回復するには長い時間がかかるでしょう。信頼を回復できなければ、企業の存続が危ぶまれます。

プロジェクトマネージャーや管理者が情報セキュリティ資格を保有していれば、チーム全体のセキュリティ意識を高められるのもメリットです。

昇進や転職で有利になる可能性が高まる

さらに、昇進や転職で有利になる可能性が高まります。

情報セキュリティ資格を保有していれば、専門的な知識や高いスキルを持っていることを証明できます。

業務に活かせる資格なら、書類選考や面接で有利になるでしょう。

まとめ:情報セキュリティ資格は目標に合わせて取得を目指そう

まとめ:情報セキュリティ資格は目標に合わせて取得を目指そう

情報セキュリティ資格は、取得しているだけで自身のスキルを証明できます。

未経験者でも取得しやすい資格もあるため、段階を踏んで取得していけば将来のキャリアアップにも役立つでしょう。

国家資格・公的資格・民間資格など種類があるので、目標に合わせて必要な情報セキュリティ資格を取得してください。